東京五輪2020 基本が欠落したデザイン「おもてなし服」と「エンブレム」

エンブレム擁護派の意見は自らデザイン能力が低いといっているに等しい
今回のエントリーは、どうしても弊社なりの意見を表明しておかなければと強く感じたので、2020年開催予定の東京オリンピックの「おもてなし服」と「エンブレム」のデザインについて当サイトとしての見識を記しておきます。

おもてなし服は誰が着るのか?

まず、「タマキ フジエ(TAMAKI FUJIE)」のデザイナー藤江珠希さんが手がけた東京都観光ボランティアのユニフォームのデザイン。

出典:http://wordleaf.c.yimg.jp/
デザイナーのインタビューを拝見するとコンセプトはすばらしいし、上記パースではなかなかおしゃれ。作品のレベルは非常に高いと思いますが、致命的な問題が解決されていません。

ファッションというのは、本当にデリケートなものでハイデザインになるほど着こなしが難しくなり、着る人を選ぶようになります。

具体的には、ネクタイのドット柄(日の丸)とストライプ柄の組合せは、よほどセンスのある人でないと着こなせません。一歩間違えば、チンドン屋衣装です。

それから、ベスト柄のポロ。ベストって着る人の体型にジャストフィットさせないとシルエットが崩壊する危険なアイテムなので、仕立て服の中でも最も技術が必要とされています。

このおもてなし服は、老若男女いろんな年齢・体型の人が着るはず。であれば、着こなしにセンスが必要だったり、体型に合わせたフィット感がデザインの生命線というのは、あまりにも酷。

実際に素人が着るとほら、、

出典:Fashionsnap.com
写真左の女性はサイズオーバーで肩幅がずれて、ベストのシルエットが台無し、袖丈も合ってない。右の男性は着丈が長いのを強調されてしまって、だらしないイメージ。おもてなし服というエレガンテはどこにも存在しません。ドット&ストライプのネクタイもブルーのベストも双方フェイク柄ですので、微調整もできません。

帽子については、もはやコメントするまでもないでしょう。

デザイン盗用疑惑以前に禁じ手乱用のエンブレム

次に「MR_DESIGN」ディレクター佐野研二郎氏のオリンピック・パラリンピックのエンブレム。

出典:itmedia.co.jp
デザイン盗用以前にこのロゴ、同業の私でも先入観や事前情報なしの初見段階でかなりマズいと思いました。大きな問題点が2つあります。

ひとつ目は、メインカラーが「日の丸に黒」、国旗に黒(喪)をイメージさせる配色であるということ。黒は、さまざなまカラー(人種)が一つになったときの色というコンセプトらしいですが、色のイメージってマジョリティ(黒=悪、喪など)で捉え、それがネガティブな場合は採用しないのが定石かと。

ふたつ目は、金メダルと銀メダルをイメージした配色。印刷に詳しい人はすぐわかると思いますが、金色や銀色って特色と呼ばれていてデザインの世界において一般的には、ロゴに使用するのは禁じ手とされています。もちろん使っても問題ないのですが、かなりの設計技術がないとデザイン的には崩壊する可能性が非常に高いです。注)まして特色を2色もロゴに使用するのは、難易度は天井知らずレベルであります。

注)8.7追記

これ、どう考えても無理があるでしょ
ほら、ちゃんと設計せず、深い考えなしに特色2つも使うから、こういう論理破綻した、もはや何を表現しているかわからない状態になるんですよ。
特色(とくしょく)は、印刷においてプロセスカラーでは再現できない色を表現するために、あらかじめ調合(調色)されたインクのこと。スポットカラーや特練色ともいう。語源は「特別な色」や「特殊な色」「特別に調合した色」と考えられる。調色することを「練る」と言う業者もあり、「特練色」は「特別に練った色」である。蛍光色や金・銀、メタリックレッドといったメタリックカラー、パステル調の色、白などのほか、蛍光色ほどではないが非常に鮮かな色などがある。また、特色インクは価格面で高くつく。-Wikipedia

エンブレムは、あらゆる媒体で使用されるため、あまり再現が面倒な色は控えるというのも基本です。それを越えてもその色を使う意図があれば、よいかもしれませんが、メダルの色を反映って、五輪ならメダルは当たり前だし、それを表現する必要性が今回の場合そこまであったかどうか疑問です。

もちろん制作者の意図は私の見解とは違うと思いますが、世界中が注目する大規模祭典のロゴに弔旗と禁じ手ダブルというエッセンスをデザインに盛り込むというのは、なんというか、評する言葉が見つかりません。

今、世間ではパクリ疑惑の方で賑わっているようですが、私はそれ以前の問題でこのエンブレムは、よろしくないと感じました。

2つのデザインに共通している事とは?

「おもてなし服」も「エンブレム」もデザインのコンセプトは、お世辞抜きで、とても素晴らしいと思います。微に入り細にわたるものであります。

しかし、年齢・体型がさまざまな一般のボランティアの人が着るユニフォームにハイセンスで着こなしが要求されるデザインというのは、ミスマッチではないでしょうか?

いろんな思いを幾何学的なディテールに盛り込み前衛的でインテリジェンスなロゴは、世界のさまざまな人達に親しんでもらえるわかりやすさを兼ね備えていたのでしょうか?

2つのデザインは、「誰のために」が間違っていると思います。
2015.7.31

追記:五輪エンブレムのデザイン盗用疑惑について

佐野研二郎氏のロゴのデザイン盗用疑惑はネットで炎上しているようです。iTEMは、それ以前の問題であるという見解なので、真相については興味ありませんが、彼を擁護する意見の中でデザインを生業としている立場として一つだけ、文句をつけたい事があります。

その意見は、要約すると「佐野氏は世界レベルのデザイナーであるからパクるわけがない、シンプルなデザインはどうしても似てしまうので、類似のデザインがあるのは仕方ない」という感じなのですが、似てしまうのは仕方ないから、それは作品の評価に勘定するなということでしょうか?

それはおかしいでしょ。

1964年の亀倉雄策氏のデザインはどうですか?シンプルで似たようなディテールは世の中に数え切れないほどあるけど、独特の存在感あるじゃないですか。これがデザインだと思いますけどね。

クリエイティブ制作者が逃げ口上で言い訳したら、その時点でプロ失格。

そして、もし私自身が一生懸命考えて発表したオリジナルのデザインに盗用疑惑がでて、ネット上で炎上したとしても、SNSやホームぺージを閉鎖して沈黙するようなことはしないと思います。

出典:http://plginrt-project.com/

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