「業界に精通」は逆にマイナス!本当に効果的な導入事例を制作します

BtoBのセールスツールとして最も重要な導入事例。制作会社にとってもインタビューから写真撮影、コピーライティングといった一連の作業を短時間に行なわなければならないので、腕の見せどころです。

Googleで「導入事例 制作」と検索すると「事例専門制作会社です」、「業界に精通したスタッフが作成します」、「○○業界専門です」といったアピールをしている制作会社が上位に表示されます。

餅は餅屋といった具合にこういう専門性を謳う制作会社は、心強い印象がありますが、テンプレートに基づいて機械的に作成する場合が多いようです。

業界の専門知識や経験は、優位性としては乏しい

業界に精通していれば、よい事例が作成できるのか?答えはノーです。むしろそれが、マイナスに働くことも少なくありません。

それは、なぜか?

たとえば、ITソリューションの導入事例を作成するとしましょう。発注企業はIT企業ですが、取材企業はIT企業とは限りません。また、作成された導入事例を実際に見る顧客候補企業は、ITに詳しいとも限りません。豊富なIT知識を有しているスタッフが、ITをわかりやすくライティングできるとは限りませんし、セールスにつながるコンテンツを設計できるとも限りません。

逆に、豊富な知識があるゆえに、知識の乏しい人にどう表現したら理解して貰えるかという点がずれていたり、対象読者の知りたいポイントを外したりする弊害もあります。

売れる文章を書くスキル ≠ 業界の知識・経験

弊社の経験では、実際に元SEのコピーライターとIT業界を知らないコピーライターの作成したコンテンツを比較すると、大半は後者のほうが質は高いです。

業界専門の豊富な知識や経験というのは、クライアントの商品やソリューションを理解するのが早い程度くらいの優位性しかないのです。

セールスにつながるコンテンツ設計が出来ているか?

テンプレートというわけではありませんが、導入事例には、いくつかの「型」があります。

【サクセス・ストーリー型】
フルオーダーで提供される商品やサービスの事例向き。ベンダーが、粉骨砕身の姿勢で顧客の抱える問題点を解決していく予定調和ストーリー。長文になりがちなので、短時間で読む側にポイントを伝えるのが難しい。

【レビュー型】
導入した顧客の体験をまとめて、製品やサービスの良さをアピールするパターン。ユーザー(消費者)の共感を得やすい反面、似たような内容になりがちなので、雛形の構成設計が重要。

【マッチング型】
顧客のニーズや抱える課題の仮説を立て、それに適した情報を編集して事例制作するパターン。短時間で顧客の課題解決と製品・サービスのアピールができるWeb向きのコンテンツだが、マッチング設計が難しい。

どの型にもセールスに繋げる為には、型に適したコンテンツ設計が必要になります。このコンテンツ設計を行わずに表層状のテンプレートに取材・ヒアリングした内容を流し込むだけでは、よい導入事例を作成することはできません。

効果的な導入事例のコンテンツ設計

セールスにつながる効果的な導入事例設計のポイントは、クライアントとユーザー双方が何のために「導入事例」必要としているかということを念頭に置けば、答えが見えてきます。

  1. クライアントは、自社の製品やソリューションがユーザーの抱える問題を解決する有効な手段であると伝えたい。また、有効な手段としての実績があることを伝えたい。
  2. ユーザーは、自社の抱える問題に有効な解決手段や問題解決プロセスやソリューションを知りたい。または、有効な解決手段の信頼性(実績)を確認したい。

上の図は、クライアントが望む導入事例の要素とユーザーが知りたい要素を比較した例になります。セールスに繋げるための効果的な導入事例の作成には、双方の要望する内容をしっかりとヒアリング・調査し、バランス良く編集する事が重要です。

テンプレートとアーキテクチャーの違い

導入事例の品質にバラツキがあるのは、制作者がテンプレートを使用しているかアーキテクチャーを使用しているかの違いです。

【テンプレート】
効果的な事例制作ノウハウの雛形
【アーキテクチャー】
効果的な事例制作のコンテンツ設計基盤

アーキテクチャーがなければ、テンプレートを開発することはできませんが、テンプレートを使用して事例を制作することはできます。

同じテンプレートを何度も利用しているとコンテンツは形骸化してしまいます。オリジナリティに欠けていたり、アピールポイントが毎回同じなるという品質のバラツキの弊害も同時に併発してしまうのです。

一方、アーキテクチャーは、コンテンツの設計思想ですから劣化しません。オリジナリティも高いレベルで担保できます。

導入事例の制作においては、テンプレートの陳腐化も早いので、アーキテクチャー(設計思想)をもつ制作会社の方が、質の高いコンテンツが制作できるといえます。

コンテンツ設計思想の例

上図は、導入事例を制作における設計思想のベースとなる「企業の問題解決と戦略を結びつけた階層図」です。

これによって、導入企業が、製品を購入して、どのような問題を解決し、どのような成果を得たか?それが経営戦略のどのようなことに寄与できたのか?という貴重な情報が手に入ります。

これらの情報を上手に編集すれば、セールスにつながる導入事例の制作が可能となります。

【導入事例制作事例:大手通信I社様・他多数】
・クライアントが聞き出しにくい事を取材企業から引き出してくれるので助かっている
・カメラマンがインタビュー撮影中にこまめに取材者の服装を正してくれるのはありがたい
・蓄積した導入事例を1つの冊子にまとめるときの編集が秀逸だったなど

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