成果の出ないWebサイトの共通課題は主に3つあります。この課題は、弊社が過去に担当した案件の中でも意外なほど解決の優先順位が低く、放置されているケースが散見されました。
課題①ビジネスモデルやコアコンピタンスが理解できる情報がない
GoogleやYahooといった検索エンジンで上位表示されると絶対的にWebサイトのアクセスは増加します。アクセス数の増加は、ビジネスの成功の重要ファクターです。検索で上位表示されるようになるのは良いことですが、上位表示を目標としてWebサイトを構築するのは、おすすめしません。
アクセス数の増加≒ビジネスの成功 だけれども アクセス数増加の施策≠SEO対策
「名刺交換した人に評価されるWebサイト」を目標にする
名刺交換した人(当該企業に興味を持ち、これからお付き合いしてみようと思っている)がWebサイトを訪れた際に、信用に値する情報を提供できていなければ、 他の誰にも有益な情報を伝達することはかなわないでしょう。
名刺交換した人に好印象(信頼)を与えるWebサイトの要件はざっと7つです。
- 一見して好感を持てるデザインである
- わかりやすい会社概要情報が記載されている
- 商品やサービスの情報が豊富に記載されている
- 連絡を取れる手段や窓口の情報が記載されている
- 見たい情報に簡単にたどり着ける構成になっている
- 来訪者向けに所在地のGoogleMapが記載されている
- ビジネスモデルやコアコンピタンスが理解できる情報がある
1.~6.は、機械的に解決出来る問題ですが、7.の会社のコアコンピタンス(顧客に特定の利益をもたらす技術、スキル、ノウハウの集合)を注力して情報を記載しているWebサイトは多くありません。一番大切な顧客候補が最も知りたいであろう情報が欠落しているのです。
課題②重要でないこと(SEO対策)に多くのリソースを割いている
Webサイト運用歴の浅い企業様は、なぜかコンテンツを中心としたサイト全体の質よりもSEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)の事を気にされます。
『Webサイトをまず見てもらわなければ、はじまらない』については、同感ですが、その実現の有効な手段は「SEO対策」ではありません。
検索エンジン最大手のGoogleは、ユーザーに有益と思われる情報を重要視し、不法な技術的対策にはペナルティを与えています。つまり検索エンジンのアルゴリズムのウラをかくようなSEO対策はマイナスになる可能性があります。そもそも、ユーザーにとって有益でない情報が検索エンジンの上位に表示されたとして、健全なビジネスが成り立つとも思えません。
もちろん、技術的なSEO対策は、必要です。しかし、被リンクの大量設置や、隠しテキストや隠しリンク、不自然にロングテールのキーワードを埋め込むといったブラックハットSEOは論外です。
Webサイトの価値を高めるには、ユーザーにとってより有益な情報を配信することです。リソース配分の大半は、質の高いコンテンツ制作に振り向けるのが最善です。
課題③ユーザーストレスを軽減させる対策を施していない
価値のあるWebサイトの実現には、3つのファーストが必要不可欠です。
ユーザーファースト・・・顧客の利便性を優先的に考える
モバイルファースト・・・スマートフォンや携帯端末での表示を第一に設計する
コンテンツファースト・・提供する情報(コンテンツ)の質を第一に考える
インターネットの普及で人々は膨大な情報を簡単に手に入れることが出来るようになりました。反面、本当に必要な情報や自分にとって価値のある情報を容易に探し出すのは選択肢が多すぎて逆に困難になりました。
たとえば会社の所在地図。スマートフォンやルートサービスがなかった時代は、地図をわかりやすくキレイなデザインで画像提供することが「良」とされていましたが、今やそれがマイナスの評価となっています。
Googleマップ埋め込んでいてくれれば、あとはユーザーがスマートフォンで最適なルート検索をして訪れてくれます。その方がユーザーにとっては便利なのです。
また、タイトルと中身が乖離している情報もユーザーにとっては大きなストレスを感じる要因になります。ユーザーにstressと感じさせるものは、見直して最小限にしていく必要があります。
質の良いコンテンツを作成するためにはどうすればよいか?
成果が出ないWebサイトの共通課題の解決には、機械的にできる領域と専門ノウハウが必要な領域がありますが、最終的には「良質のコンテンツをつくる」というのがメインの解決策になります。
しかし、良質なコンテンツをつくるのはとても難しいですが、良質なコンテンツを作成するための考え方をいくつか紹介します。
公共の利益や社会生産性に寄与しているかという視点をもつ
企業というのは、小さくとも何らかの社会的価値があって存在しているので、このような視点も持てば自社の強みや競合優位性が明瞭になります。その情報を全体の方向性として位置づけるとWebサイトにオリジナリティが生まれます。
サイト全体をユーザーの問題を解決するための場と考える
サイトに訪れる人は、抱えている問題の解決策を手に入れるためにあなたの会社のホームページにアクセスしてきているのです。ユーザーは、会社が提供できるソリューションを知りたいのです。
情報をユーザーに提供できる価値へ変換する
自社の製品またはサービス情報をユーザーが最終的に得られる「価値情報」に変換してくだい。またなぜその価値を提供できるかできるだけ簡潔・具体的に情報をまとめてください。
できるだけ専門的な情報を用意する
日本人は「餅は餅屋」という価値観が大好きです。●●専門、××一筋というフレーズは、100の凡情報よりも信頼を得ることができます。自社でしか提供できないプロフェッショナルな専門的エッセンスをできるだけ抽出する作業に時間を割いてください。
まだまだたくさんありますが、概ねこの4点をしっかりと見直していけば、現在のWebサイトの問題点は明確になるはずです。
【Webサイト制作事例:ソフトウェアメーカーN社様・他多数】
・問い合わせのCV率250%向上
・ホームページ開設後、月間売上が対前年同月400%
・PV(ページビュー)数が、リニューアル前と比べて1.5倍など